はじめに
漫画のコマ割り。基本的なことですが、知らないことも多いのではないでしょうか。
筆者は10年ほど漫画研究室にいました。先輩やプロの方から教わったこと、自力で勉強したことなどをまとめてみたいと思います。
使用する道具
- 紙(コピー用紙など)
- 鉛筆、シャーペン
- 消しゴム
- 蛍光マーカー
コマ割りのコツ
1.四コマから考えよう
まず基本中の基本ですが、1ページに入るコマの数は6~9コマがいいでしょう。「ドラえもん」「パーマン」などで有名な藤子不二雄先生は基本的なコマ割りの達人です。
といっても、初めから藤子不二雄先生のようになるのは無理です。そこで漫画の基本、4コマを考えます。
四コマ2つを一枚の原稿用紙に入れるとこの程度のスペースになります。
2.視線に気を付ける
漫画を開いた時、人間の視線は以上のように逆Z型に動きます。つまり、右上に大ゴマを持ってくると、劇的な印象を与えることができます。
忘れがちなのが右ページから左ページへの移動時です。左ページ1コマ目、及び左ページの最終ゴマはかなり重要です。
ここに印象的なシーンを持ってくるとぐんと引き立ちます。書き込む場合もこのコマにしましょう。
3.断ち切りに注意する
かっこいい演出をしてくれる「断ち切り」ですが、要注意です。ページとページの間の「ノド」と呼ばれる印刷時に閉じられるところに書き込みを入れてしまうとせっかく書いても見えなくなります。セリフなどは致命的です。
コマ割の手順
STEP1:重要なシーンを選び出す
絵ネームでも文字ネームでもどちらでもいいですが、まず読者に伝えたいところをリストアップします。上で上げた蛍光マーカーでピックアップしていくと見やすく整理できます。
上で説明した重要コマを意識して、ページ数の中で印象づけたいコマを先に割り振ります。
STEP2:間のコマを埋めていく
重要なコマを埋めたら、あいだのコマに内容を割り振っていきます。足りない場合は「捨てゴマ」を使って下さい。
STEP3:足りないときは内容を削ることも必要
どうしても入らないシーンが出てくることもあります。既にステップ1で重要度の割り振りをしていますから、思い切って削ることもできます。
経験から行くと、だいたい削ったほうがよい結果がでます。
STEP4:もう一度読み返してみる
出来上がったら読み返してみて下さい。パッと見て伝わりやすいかどうか、初めに目に入ってくる絵はどれかの確認です。
ここまできたらもう安心。過不足があればもう一度ステップ1から見なおして見て下さい。
おわりに
いかがでしたでしょうか。ちょっとしたことに気をつけるだけでも、漫画はぐんと引き立ちます。
また、実体験ですが、わかりやすいコマ割りを心がけていると、プレゼンなどで意外に役だったりします。がんばってくださいね。
(image by 著者)